札幌市でヨガ教室「LOG YOGA(ログヨガ)」を開いている鈴木瞳さん(以下:瞳さん)。
幅広い年齢の人が瞳さんのレッスンに通い、リピーターが多くいらっしゃいます。
LOG YOGAは、市内でも貴重な”障がい児ママ”対象のヨガクラスがあります。
2児の母である瞳さんがヨガ講師を目指したきっかけや、障がい児ママを想う活動内容について伺いました。
LOG YOGAの活動内容
瞳さんに、どのような活動をされているのか伺いました。
『ヨガ講師をしています。
- スペシャルキッズママヨガ(西区「bird/leaf」にて)
- キッズヨガ(放課後等デイサービスにて)
- 親子ヨガ(新川地区センターにて)
- 大人ヨガ(自宅スタジオにて)
のクラスがあります。
LOG YOGAは、スペシャルキッズママを対象にヨガを開催しているのが特長です。』
瞳さんのレッスンは、はじめての人も参加しやすくやわらかい雰囲気が人気のポイントですよ。
“スペシャルキッズ”とはどんな子どものこと?
ヨガのクラスにある”スペシャルキッズママ”とは、どんなお子さんのことなのか教えていただきました。
『スペシャルキッズは、障がいをもつ子どものことです。
インターネットで知った言葉なのですが、とてもポジティブな表現に惹かれました。
息子の奏(かなで)もスペシャルキッズです。
妊娠7か月のとき緊急帝王切開で670gで出産。
白質周囲軟化症・脳性麻痺と診断され、自分を責めて一生分泣きました。
家事育児に介助と、毎日過ごすのに精いっぱいで。
たまたま目にしたスペシャルキッズという言葉やヨガとの出会いが、わたしの考え方を前向きにさせてくれました。
今の奏は、市内の養護学校に通う妖怪の絵本が大好きな小5男子です。
悩みや大変さは今もありますが、スペシャルキッズの奏にいつもたくさんのことを教えてもらっています。』
障がい児という言葉が”スペシャルキッズ”になると、肯定的な響きになりますね。
瞳さんがヨガ講師を目指したきっかけ
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保育士の経験がある瞳さん。
ヨガ講師を目指した理由を伺いました。
『奏が生まれて、育児中にヨガを再開したのがきっかけです。
元々、奏の姉・詩(うた)の妊娠前は地域のヨガ教室に生徒として通っていました。
出産後はなかなか行く時間がもてず、特に奏が生まれてからは2人育児が本当に大変で。
奏と周りの子を比べて落ち込み、自分のせいで元気に生めなかった…と出口のないトンネルにいるようでした。
ふとした時に「そういえば、ヨガ楽しかったな」と頭によぎりました。
毎日へとへとだけど、家族の協力のもと行ってみたら、すごく楽しくて!
「障がい児ママは毎日本当に大変な思いをしている。ヨガでリフレッシュする機会があればいいのでは?」と考え、スペシャルキッズママにレッスンできるヨガ講師を目指しました。
やるなら今しかない!と思い立ち、講習の間は家族に奏をお願いしながら、無事資格を取れました!』
ヨガのレッスンで大切にしていることは?
『ママが自分を大切にする時間にできるよう意識しています。
普段家族のために動き回っているママが、ヨガでリフレッシュできるような空間づくりを心掛けていますね。
ママ同士で気軽に話せる雰囲気を心がけて、わたしも1人の母として会話していますよ。
親子ヨガとスペシャルキッズママのクラスを分けて、スペシャルキッズならではの悩みや大変さをママ同士で共感し合う環境にしています。
スペシャルキッズママクラスの日は、昼食持参でランチ会をしながら労いあっています!
子どもが学校や療育に行っているときにママだけで参加される方が多いので、皆さんのびのび過ごしていますよ。』
スペシャルキッズは介助が必要なため、ママと24時間一緒にいる家庭も多いでしょう。
ママたちの気持ちがわかる瞳さんだからこそできる、癒しの空間なのですね。
ヨガで得られる効果
ヨガの主な効果として
- 心が整う
- 筋力がつく
- 呼吸法が身につく
を挙げてくださいました。
『大きな効果として、身体はもちろん心が整うことでしょうか。
「スッキリした!」と目をキラキラさせて帰るママが多いですよ。
子育ては、身体を使う機会が多いです。
特にスペシャルキッズママは、子どもの介助で身体を酷使していて。
ママの怪我防止にも、筋力がつくヨガがおすすめです。
また、ヨガは”呼吸の大切さ”を体感できます。
イライラや悲しさなど、負の感情もヨガで身につく呼吸法でコントロールすることも。
特に子どもは、これから長い人生で悩みやつらい体験を乗り越えるための1つの手段として、呼吸の大切さを知ってほしいです。』
気持ちが落ち着く呼吸法を親子で楽しく身につけられるのも、LOG YOGAの魅力ですね。
簡単!親子におすすめのヨガメニュー
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おうちでできる簡単親子ヨガを教えていただきました。
『ママとお子さんにおすすめなのは
- 向かい合い、手をつないでぎっこんばったん
- 足裏同士をくっつけて座り、手をタッチ
ですね。
遊びながら親子でコミュニケーションをとるイメージでやると楽しくなります!
わたしも、子どもたちとよくやりますよ。』
ヨガマットがなくてもできる簡単なやり方は、すぐに取り入れられますね。
瞳さんが教えてくださったヨガを、わたしも子どもとやってみました。
ちょっと照れくさいけれど顔を見合って楽しめるので、子どもが喜んでくれましたよ。
仕事と家庭の両立で大切にしていること
仕事に家事育児と、毎日フル活動の瞳さん。
どのように仕事と家庭のバランスを保っているのか教えていただきました。
『ヨガ講師の活動を家族が応援してくれています。
楽しそうな私をみて、特に詩が喜んでくれて「やったらいいよ」と背中を押してくれます。
詩は、奏が生まれてからどうしても我慢する時間が多いので、意識して詩との時間をつくっていますね。
目を見て、話を聞いて、愛情を伝えています。
SNSを見ると、イベントやお出かけスポットなどキラキラした投稿が多いですよね。
でも、スペシャルキッズである奏は人が多い場所への外出が難しいです。
なので「人は人、うちはうち」の比べずに家族が楽しめる過ごし方を考えました。
お出かけの経験も素敵だけど、我が家は”子どもに共感する時間”を大切にしています。』
スペシャルキッズママにも楽しんでほしい!今後の活動展望
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『今後は
- スペシャルキッズママのヨガの輪を広める
- インクルーシブイベントを開催(※)
をやってみたいと考えています。
ママも子どもも楽しめて、障がい児が気兼ねなく参加できる場所をつくりたいですね。
先日、保育士のゆき先生が開催したイベントに奏を連れて参加しました。
そのイベントで、寝転ぶ奏を気にせずいろんな親子が過ごしていて。
あたたかい空間と気を遣わない環境に、スペシャルキッズの母として嬉しかったんですね。
そのイベントに刺激を受けて、インクルーシブなイベントができたらと思っています!』
(※)インクルーシブとは
・誰もが分け隔てなく生活できる社会のこと。
・障がいの有無や性別、国籍や人種の違いも認め合う環境のこと。
>LOG YOGA 公式LINEはこちらからご覧いただけます。
>LOG YOGA Instagramはこちらからご覧いただけます。
▼文中に登場した保育士ゆき先生の記事はこちらです。
子育て中のママたちへメッセージ
瞳さんから毎日育児に向き合うママたちへ、メッセージをいただきました。
『ママは自分を後回しにしがちですよね。
毎日家族のために動き回るママ、本当にお疲れさまです!
1日5分でも自分を褒める時間をつくってみてください。
自分自身を認めて労わる時間は、心を健康にしてくれます。
子育ての時間はあっという間に過ぎて、大変なときには必ず終わりが来るんですよね。
どうかママ自身を大切にして過ごしてほしいです。』
瞳さん、貴重なお話をありがとうございました。
北海道ベイビーカフェでは、今後も地域で活躍する人を紹介していきます。
次回のママプロ図鑑もお楽しみに!
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